むし歯がある程度大きくなってしまったら、型どりをして詰め物を作らなければなりません。もっと大きくなってしまったら、被せ物を作らなければなりません。保険診療の範囲ではほとんど「銀歯」になります。「銀歯」とはいっても純銀ではありません。
そして、銀歯を歯につけるのは、合着と言って接する面の微細な凹凸にセメントが入り込み固定する、嵌合力によるものです。普段の食生活や、歯ぎしり・くいしばりなどの生理現象で、そのセメントは溶け出したり、破壊されて少しずつ隙間ができて、またむし歯になる。そして詰め物、被せ物がとれる。一度直したのにまたむし歯。これを二次う蝕と言いますが、このむし歯の再発をできるだけ抑えるのが、セラミック治療と接着治療です。
接着とは、合着にある嵌合力の他にさらに歯と詰め物、被せ物とを化学的に固定することです。接着により保持力を高めることにより従来のはめ込みに必要な歯を削る量を少なくすることが可能となります。また接着性セメントの溶け出し、破壊はほとんどなく、むし歯の再発を抑えることができます。
またセラミックは傷がつきにくく、汚れもつきにくいので、むし歯になりにくいだけでなく、汚れによる歯肉の炎症も間接的に抑えることになります。
セラミックは保険外診療になるので、値段を聞いただけで敬遠されがちですが、歯を白く治すだけでなく、その歯を守る、長持ちさせるためにも検討いただきたい治療です。
歯科医師 山本大地
2014年7月10日 カテゴリ:歯の接着