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L 8020 乳酸菌でむし歯、歯周病を予防する!

今年はコロナウィルスの蔓延で、我々の日常生活にも大きな影響がありましたね。
気が付けばもう一年の半分が経過しておりました。
もうすぐ夏ですよ!皆様、元気にお過ごしでしょうか?

在宅ワークが増えたことで、運動不足気味の方も多いのではないでしょうか?
緊急事態宣言の時など、私の唯一の楽しみがウォーキング、スーパーやドラッグストアへの買い出しでした。
個人的にサプリメントのコーナーは興味大でして、その中でも良く目にしたのは善玉菌、腸内環境をよくする菌...云々のフレーズでした。
そういえば、世の中なんと多くの善玉菌関連の食品やサプリメントが多いことか!大半はお通じを良くしたり、肥満解消などが目的とされているようですね。

今回は、口腔内の環境を改善する乳酸菌のお話しをしたいと思います。

口腔内には 700~800 種類の微生物が存在するとされています。
腸と同じように、菌のコロニーである「口腔内フローラ」があります。
その中には乳酸菌のような善玉菌もいれば悪玉菌もいます。

悪玉菌の代表格が、歯周病を引き起こす Porphyromonas gingivalis (ジンジバリス菌)。むし歯の原因菌 mutans streptococci (ミュータンス菌)などです。
ジンジバリスは歯と歯肉の隙間に付着した食べかす=プラーク(歯垢)を好み、プラークの中で次第にコロニーを形成していきます。
プラーク中にはミュータンス菌も存在します。

歯や歯肉の隙間に付着したこれらのプラークは、歯磨きで予防することはある程度できますが、一度歯周病にかかってしまったり、むし歯ができてしまった後では病原菌を歯ブラシだけで除去することは難しくなります。

これまで病原菌は、Antibiotics (抗生物質)で殺菌するという考え方が主流でした。
近年それに対し、Probiotics (プロバイオティクス)で悪玉菌を退治するという方法が考えられてきました。

このプロバイオティクスとは「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義されています。
プロバイオティクスの候補としては乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖類などがあげられます。
益虫と同じで、作用は穏やかながら、環境への害はほとんどなく、人体への副作用もないなどの利点があげられます。

L 8020 乳酸菌の発見!

広島大学大学院医系科学研究科 口腔生物工学研究室の二川浩樹教授により、口腔内の病原菌に対して、作用する善玉菌が発見されました。
正式名称はラクトバチルス・ラムノーザス k03 株という菌種ですが、「8020 運動」にちなんでL 8020 と名付けられました。
L 8020 は歯周病やむし歯に罹患したことのない健康な子どもの口腔内から発見されたヒト由来の乳酸菌だそうです。
むし歯菌や歯周病菌の数を抑制するという抗菌作用があります。
二川先生はこのL 8020 乳酸菌の入った試作のヨーグルトを用いて実験を行ったところ、5 種類の歯周病菌とむし歯菌、さらにはカンジダ菌にも抗菌効果があることを証明しました。
二川先生の発見したL 8020 について詳しい解説は以下のウェッブサイトをご覧ください。

https://www.l8020.jp/

L 8020 菌を使用した商品も数多く揃っているようです。
私は是非ヨーグルトを試してみたいと思います。

http://www.campusmedico.jp/l8020/products/index.html

最後に、このような善玉菌を含む食品を毎日の習慣に取り入れることによって、むし歯や歯周病を抑制できるなんてありがたいことですよね。
口腔内の環境を良くすることによって、さらには全身の健康状態も良くなるのですから取り入れてみて損はないような気がします。

特に、むし歯になりやすいあるいは歯周病が気になるという方にはお勧めの予防方法だと思います。
もちろん、毎日の丁寧な歯磨きと歯医者さんでの定期的なメインテナンスは欠かせないんですけどね。

歯科医師 大庭美和子

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