寒中とは思えない暖かな日が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
スキー場では雪不足で開業延期や一時休業が相次いでいるそうです。
春先にかけても高温傾向の予測が出ているので、関東では雪が降っても積もる事はないかもしれませんね。
暖冬とはいえ、朝晩の冷え込みは厳しく、日中と気温差が激しい日もあるので体調を崩さいようにお気を付けください。
先日、歯科保健セミナーに参加してきました。
講師の西先生から虫歯や歯周病の予防の重要性について学ばせて頂きました。
まず予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく症状が現れる前に、早期発見に努めるという考え方です。
本格的な予防歯科に世界で初めて取り込んだ国はスウェーデンであり今回スウェーデンと日本との違いを比較したお話を聴くことができました。
一番驚いたのが、日本は1日3回、1回3分、食後3分以内というのが昔からの歯磨き方法でしたが、スウェーデンでは1日2回(その内1回は就寝前に必ず行う事)、1回2分(1500ppmフッ素含有の歯磨き粉を必ず用いる事)、ブラッシング後は唾液の緩衝能(口の中が酸性に傾いてるものを中性に戻す力)がしっかり働くのを待つため2時間歯を休ませるのが基本だということでした。
1日3回磨くことはもちろん悪いことではありませんが、2回磨いた時と3回磨いた時とでは歯周病には効果的ですが虫歯の発生に大差はないという事でした。
3回磨かなければと思うと歯磨きは大変なものだというイメージになってしまいますが2回なら継続できるという意識の違いがスウェーデンでの予防歯科に繋がっているのだと思いました。
虫歯の成り立ちは細菌因子、食物因子(糖質など)、宿主因子(唾液の機能や量、歯の強さなどの個人差)の全てが揃った時に起こるものであるので、この3つの輪が重ならなければ虫歯にはなりません。
逆に歯の健康のためには、正しい食べ方(だらだらと食べない)、歯磨きの仕方、フッ素を利用する、この3つをしっかり行わればなりません。
歯磨きを頑張っている、甘いものを殆ど食べないのに虫歯になりやすい方は、唾液の機能や歯の強さ、口の中の細菌の数が関係している可能性があります。
実際にそれらを調べる検査があります。
原因に合わせた予防法がいかに大切であるか、また歯の喪失数は加齢現象ではなく年齢は関係がないので、正しい原因を突き止め個人にあった予防法がいかに大切であるかを改めて学びました。
そのためには、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、自宅で行うセルフケアの両方が大切です。
虫歯や歯周病にならない健康な歯を維持できるよう患者さんのサポートを頑張っていきたいと思います。
歯科医師
沼口友美