帯状疱疹とは、水ぼうそうを起こす水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じる感染症です。
水ぼうそうは以前まで90%の人が罹っていた病気でした。(今はワクチンが使用されているので70%ぐらいだそうです。でも十分多いですよね)
そして水痘帯状疱疹ウイルスは感染した後、脊髄後根という神経が入り込んでいる場所に潜伏します。
それから長い年月を経て、加齢やストレス、過労などによる免疫機能の低下がトリガーとなり活性化され発症するわけです。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹にかかると、水疱ができる2~3日前から体調が悪くなり、発熱、全身倦怠感、下痢などがみられることがあり、体の片側の皮膚にチクチクするような痛みが起こることから始まります。
次に、痛みを感じた場所にブツブツとした赤い発疹ができ、小さな水疱となって帯状に広がります。
この水疱は感染した神経線維が支配する領域の皮膚に限られます。ほとんどの場合、水疱は体の左側か右側のどちらか片方にだけできますが、他の部位にも若干の水疱ができることもあります。
患部はたいていどんな刺激にも敏感に反応し、軽く触れただけでも激しく痛みます。
通常、皮膚症状が治まると痛みも消えますが、その後もピリピリとした痛みが継続することがあります。
これを帯状疱疹後神経痛といい、これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことで起きます。
この症状は、高齢者や、皮膚症状が重症な人に起こりやすいです。
口腔領域での症状
口腔領域では三叉神経という神経が走行している領域(三叉神経第2枝・第3枝)が罹患したときのみ口腔粘膜にも症状が現れます。
口腔粘膜では口蓋、舌、頬粘膜、口唇粘膜の順に水疱やびらんがみられます。
治療方法
主に抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン、塩酸バラシクロビルなど)が経口投与、もしくは経静脈投与されます。これらの薬剤は病気を治すわけではありませんが、症状を緩和し、病気の持続期間を短縮する効果があります。
また、帯状疱疹後神経痛の予防には星状神経節ブロックが行われます。
帯状疱疹は60歳代を中心に50歳代〜70歳代に多くみられる病気ですが、過労やストレスが引き金となり若い人に発症することも珍しくなく、また6~7人に1人の割合でかかる病気です。
もし皮膚や口腔内にプツプツとしたしこりが出来たり、痛みを感じたりする事があればお気軽にご相談してください。
歯科医師 砂治大介