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アーカイブ: 1月 2016

お口と歯肉の水泡~帯状疱疹~

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帯状疱疹とは、水ぼうそうを起こす水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じる感染症です。
水ぼうそうは以前まで90%の人が罹っていた病気でした。(今はワクチンが使用されているので70%ぐらいだそうです。でも十分多いですよね)
そして水痘帯状疱疹ウイルスは感染した後、脊髄後根という神経が入り込んでいる場所に潜伏します。
それから長い年月を経て、加齢やストレス、過労などによる免疫機能の低下がトリガーとなり活性化され発症するわけです。

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帯状疱疹の症状

帯状疱疹にかかると、水疱ができる2~3日前から体調が悪くなり、発熱、全身倦怠感、下痢などがみられることがあり、体の片側の皮膚にチクチクするような痛みが起こることから始まります。
次に、痛みを感じた場所にブツブツとした赤い発疹ができ、小さな水疱となって帯状に広がります。

この水疱は感染した神経線維が支配する領域の皮膚に限られます。ほとんどの場合、水疱は体の左側か右側のどちらか片方にだけできますが、他の部位にも若干の水疱ができることもあります。
患部はたいていどんな刺激にも敏感に反応し、軽く触れただけでも激しく痛みます。
通常、皮膚症状が治まると痛みも消えますが、その後もピリピリとした痛みが継続することがあります。
これを帯状疱疹後神経痛といい、これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことで起きます。
この症状は、高齢者や、皮膚症状が重症な人に起こりやすいです。

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口腔領域での症状

口腔領域では三叉神経という神経が走行している領域(三叉神経第2枝・第3枝)が罹患したときのみ口腔粘膜にも症状が現れます。

口腔粘膜では口蓋、舌、頬粘膜、口唇粘膜の順に水疱やびらんがみられます。

治療方法

主に抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン、塩酸バラシクロビルなど)が経口投与、もしくは経静脈投与されます。これらの薬剤は病気を治すわけではありませんが、症状を緩和し、病気の持続期間を短縮する効果があります。
また、帯状疱疹後神経痛の予防には星状神経節ブロックが行われます。

帯状疱疹は60歳代を中心に50歳代〜70歳代に多くみられる病気ですが、過労やストレスが引き金となり若い人に発症することも珍しくなく、また6~7人に1人の割合でかかる病気です。
もし皮膚や口腔内にプツプツとしたしこりが出来たり、痛みを感じたりする事があればお気軽にご相談してください。

歯科医師 砂治大介

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2016年・元旦

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新年明けましておめでとうございます。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

今年の干支であるサルは,歯に社会構造がよく表れているといわれています。
サルは群れで生活しますが,この群れには①単雄群(雄が1匹),②複雄群(雄が複数匹),③家族群(一夫一婦制)の3種があります。
サルの歯は32本で人間と同数ですが,歯の大きさはヒトと異なり,雄と雌で違いがあります。特に顕著に差がみられるのが上顎犬歯(いわゆる牙)です。
群れの中で雌の争いがある②複雄群の雄の上顎犬歯が最も大きく,争いの少ない比較的平和な③家族群では雄雌の歯の大きさの差が最も小さくなっています。
これは生活での必要がもたらした進化・退化の器質変化です。

この様な器質変化は,ヒトでは,徳川260年の代々将軍の下顎に見られます。
初期の家康・家光のえらのある下顎に比べ,厳選調理された軟食をとり続けた12代家慶・15代慶喜らではかなり細長い顎となり,当時の庶民とはかけ離れた顔貌となっています。

サルの犬歯,将軍の顎の変化はいずれも生活上の必要性の低下がもたらした廃用性萎縮の例であろうと考えられます。

昨年,国際宇宙ステーション・「きぼう」で育てたメダカでは,骨を食べる破骨細胞が活発になり骨量が減少したという結果が発表されました。
地球上の生物は重力がある状況で進化を遂げています。私は,この重力・負荷を日常生活の中で上手に増すことが,健康を維持することに繋がると考えています。

私たちは主としてご来院いただく皆様の歯を治療させていただいております。
治療により1本の歯の痛みを取ることは勿論です。しかし,私たちはその先にある口腔と顎機能の維持向上を最終的な目標として日々の診療を行っております。

江戸時代の将軍の様な食事が出来る口腔ではなく,いつまでも奥歯で食いしばれる口と顎の実現を目指して今年もスタッフ一同研鑽を積みながら診療を行わせていただこうと考えています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

代表・歯科医師  平 健人

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